コロナの感染が長引く中、2020年の12月から、ダメージを受けた家計再建のポイントをお伝えするセミナーを毎週2回のペースで行っています。このセミナー「CFPが伝える家計再建のポイント」はFP教育機関が主催し、ウェビナーで毎回約1時間行っています。
◆セミナーは、以下の内容・流れでお伝えしています。
①コロナによる経済への影響と今後の見通し
緊急事態宣言などによる状況の変化を正確にお伝えします。
②すぐに手を打つべき応急処置
生活の破綻を避けるために利用できる住居確保給付金や事業の維持に必要な特別融資、雇用調整助成金など様々な支援制度の最新情報を常に更新しながらお伝えしています。
このあと家計の再点検に入りますが、その前に、今後の経済見通しや少子高齢化の進捗などから見て、多くの家庭が家計を見直さないと家計破綻するリスクがあることを解説します。そのあと、家計の再点検→家計の再建へと進みます。
③ダメージを受けた家計の再点検
家計簿アプリなどを利用しながらコロナによる家計へのダメージも盛り込んだ正確なキャッシュフロー表を作る方法をお伝えします。
④家計再建の方法
支出を削減する一方で資産を増やし、家計を立て直すポイントを解説しています。支出の削減は主に固定費の削減方法(住居、教育、通信、医療、保険、光熱などの費用の削減)について、一方の資産を増やす手立てとして、長く働く(セカンドキャリアの作り方)、資産運用、年金受給額を方法などについてお話ししています。
◆話をしていていつも気になるのは、
コロナによる経済へのダメージの実態が今一つ実感としてつかみにくい、ということです。私の立ち回り先の千代田区では、この一年間で多くの飲食店が店を閉じ、街の風景が大きく変わりました。
しかし、一方ではコロナによる経済へのダメージは限定的という見方もあります。IMF=国際通貨基金の最新の「世界経済見通し」によると、1月時点での実質GDPの年間の増減率見通しは2020年:ー5.1% 2021年:+3.1%です。
コロナ下でも多くの企業が最高益を記録し、株価も3万円を超えた事などをあげ、「コロナの影響は限定的」とする見方です。
しかし、一方では完全失業者の増加、賃金の減少、消費支出の減少などが見てとれます。
1月の労働力調査(総務省)によると完全失業者数は197万人、前年同月に比べ38万人の増加です。
一方、就業者数は10カ月連続の減少で、特に非正規の職員・従業員数は前年同月に比べ91万人減少しています。また、厚生労働省の調査では、今年の春の就職内定取り消しは去年の5倍、新卒採用取り止めも含めると若年の失業状態の人が、増えることになります。
給与総額は去年の4月以降、前年同月より減少していて、年末にかけて大きく落ち込んでいます。
・飲食、観光業 ・非正規雇用者 ・就職期の若年層 などが特に大きな影響を受け、コロナで経済格差が進んだ可能性が高そうです。飲食業、非正規雇用の場合は元々年金受給額が少ないだけに状況は深刻です。
◆こうした中、私が家計相談を受けた人数はコロナ以降ほぼ2倍に増えました
特に「コロナで住宅ローンが払えなくなるのではないか」「収入が減った。子供を私立に行かせているが大丈夫か」といった内容が増え、コロナによる影響や不安が高まっているのを実感します。
コロナによる家計への影響は甘く見てはいけない。ただ、しっかり対応すればほとんどの場合、乗り越える方法は見つけられると思います。FPの真価も問われています。
一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC) 福本 芳朗 CFP
KFSCは神奈川県民の皆様のライフプラン作りやより豊かな生活の実現に貢献するこ とを目的に活動するベテランのファイナンシャル・プランナー集団です。 |
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